かがくいひろしの世界展:やさしい眼差し

日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家
かがくいひろしの世界展
八王寺市夢美術館(東京都八王子市八日町8-1)
2024/9/14→2024/11/4
https://www.yumebi.com/acv152.html

2024年10月24日 訪問
”だ る ま さ ん が ・・・”と節をつけて読むと
赤ちゃんも子どもも大人も一緒になってからだを揺すり
次のフレーズ ”どてっ” という音を聞くと
”きゃはははは”と笑う。
何度読んでも”きゃははは”。
そんな子どもたちの反応が嬉しくて、何度もこの絵本を開いたのを懐かしく思い出した。

本展は「だるまさん」シリーズを代表する絵本作家、かがくいひろしさんの没後初の大回顧展。
かがくいさんは50歳で作家デビューという、かなり遅咲きの作家さんで
それまでは、特別支援学校で28年にわたり障害児教育を行なってきた。
かがくいさんの絵本には、そんな支援学校での長年の経験が反映されていて
子どもに向けた温かい眼差しがある。

インタビューの中でかがくいさんは
「音と動きがくっついていて、小さな子やハンディキャップを背負った子など、
ストーリーが理解しにくい子達にも伝わるような絵本、というものをずっと作りたいと思っていた」
と語る通り、かくがいさんの絵本は、読む人皆んなを笑顔にする魔法があるように感じる。

印象的だったのが、会場の一角に可愛い絵本のキャラクター達とは結びつかない
一風変わった立体造形物が展示されていた。
これらはかがくいさんが絵本作家として世に出る前に行なっていた制作物だという。
そして当時は自分の表現を模索し、立体制作物の個展をやっていた時
来場者に”なんでこんなものを作っているのか分からない”と言われ、ショックを受けたと。
でもその後深く考え直し、「人に向けてわかりやすいものを作る」という結論に至ったという。
だるまさんやお野菜さん達からは想像できなかったけど、
このような一面もかくがいさんの創作の根底にあるということを知り、面白いと思った。