大貫卓也と花森安治:似ているところ

アートディレクターの仕事
大貫卓也と花森安治
世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
2024/7/20→2024/10/14

https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00120

2024年10月10日(木)訪問
恥ずかしながら、この展覧会を見に行くまで大貫卓也さんの名前を知らなかった。
でも、展示された沢山のポスターの中には
知っているもの、見たことがあるものが多くあり
名前は知らないものの、作品には日常で沢山触れていた。

大貫卓也は広告業界のアートディレクター。
「としまえん」、「ラフォーレ」、「新潮文庫のヨンダパンダ」など
どれも広告のインパクトが大きく、一見馬鹿げて見えるのに
クスッと笑えて、なぜか説得力がある。
大貫卓也の<広告を成功させるための7つのハードル>というものが書かれていたが、
その7つを意識しながら大貫さんの広告を眺めると、その広告たちがノリで作られているようで
実に計算された上で作られていることがわかった。

大貫卓也の<広告を成功させるための7つのハードル>
1. 目立つこと
2. 新しいこと
3. 簡単なこと
4. 幸福なこと
5. シズル感があること
6. 企業カラーがあること
7. 目的を達成していること

花森安治は言わずと知れた雑誌「暮しの手帖」の名編集長。
創刊から30年、表紙画からカット、レイアウトに至るまで、全て花森さんの美学が貫かれている。
今回の展示では、花森さんが手掛けたポスターやグラフィック関連を中心に展示。
特に、電車の中吊り広告や新聞広告が多く展示されていた。
花森さんの広告は、ストレートなメッセージを文字だけで表現するものが多かったが、
その文字には気迫があり、説得力があった。
文字だけで読者を惹きつける。
それらを大貫さんの提示する7つのハードルに当てはめると
5つが共通しているように感じられた。
<1.目立つ、2.新しい、3.簡単、6.企業カラー、7.目的達成>
私のお気に入りは
「こんどの暮らしの手帖に、おもしろいことがでています 11号です」
こうやって書くだけではイメージが伝わらないけど
実際には全ての文字が丸みのある花森さんの描き文字で、
まるで文字が笑っているような、どんな面白いことが書かれているのだろうと、
興味を惹くような、そんな広告になっている。
大貫さんと花森さん、どちらも簡単そうに見えて、
ユーモアがあり説得力があるところが似ているのだろうか。
相手に何かを伝える仕事をする人にとって
とても勉強になる展示だと思った。