松岡享子からの贈り物:子どもへのおくりもの

東京子ども図書館50周年記念
松岡享子からの贈り物
Gallerry A4 (東京都江東区新砂1-1-1 )
2024/11/29→2025/3/13
https://www.a-quad.jp/exhibitions/125/index.html

子どもに絵本の読み聞かせをしていると
何度も目にする訳者 松岡享子さんのお名前。
この本も松岡さん、この本も松岡さん。
たくさんの絵本や児童書を翻訳した方という認識しかないまま、
展覧会に足を運んで驚いた。

その活動は膨大な図書の翻訳にとどまらず、
松の実文庫の開設、東京子ども図書館の創設、お話の語り手、作家、
ユネスコ・アジア太平洋地域共同出版計画の編集委員や国際アンデルセン賞選考委員など
子どもに良い本を届けるために、ありとあらゆる活動を行った人だった。
子どもに”ことばの力と想像力を身につけて欲しい”
”子ども時代に幸せを蓄えつつ育つように”
そんな想いで長きにわたって読み聞かせの大切さを訴え、児童図書館を実現した。
なお、児童図書館活動の草分け的存在として、児童文学者の石井桃子さんがいるが
松岡さんは石井さんの意志を引き継いで、その活動を行ってきた。

今でこそ近所の公立図書館へ行くと
きちんと子どもの図書コーナーが用意されていて、
沢山の面白い本に囲まれて時を過ごすことができる。
何を読んだらいいか分からない時は、図書館司書の方が相談に乗ってくれる。
それを当たり前のように思っていたけど、1950年代、60年代にはそのようなものはなく
松岡さんのように、子どもにとって良質な図書がどれほど大切かを訴え続け、
子どもに本を提供する場所を作ってくださった方々のおかげで、今があるのだと思った。

展覧会場には様々な年代の松岡さんの写真が展示されていたけど
どれも顔いっぱいに広がる大きな笑顔が印象的だった。
松岡さんの周囲の方のインタビューの中でも
”太陽のように光り輝いている人”と語られていたけど
その笑顔は晩年になっても輝いていて、
年をとってもこんなに生き生きと活動することができるんだと、勇気をもらった気がした。
そして、これだけたくさんの本を翻訳したにも関わらず、
松岡さんは翻訳は子ども図書館の仕事の副産物と言ってのけるから
本当に豪胆な人だと思った。